また北康利氏の著書、「白州次郎・占領を背負った男」

これまた文句なし面白い、読みやすい、ためになる(気が)する。誰にでもお勧めできる。前も書いたがこの著者の講演を伺ったことがあるがリーダーやエリートはかくあるべきという確固たる信念をお持ちである。全体としては福沢諭吉の本のときもそうであったが激動期にリーダーやエスタブリッシュメントがどのように形成されるかきちんと研究されているバックがあるのだと思う。サラリーマンをしながらパソコンで書き上げたとおっしゃるが膨大な調査や裏とりはさぞたいへんだったことだろう。
白州次郎は最近またいろいろな切り口で語られることが多いのであえて書かれている功績や人物として立派なところは触れないが、今回あらためて気がついたのは白州次郎がたいへんなクルマ好きであったこと。ケンブリッジ留学時代のブガッティから晩年に至るまで車を愛し、最後はトヨタソアラのアドバイザーまでしていたとはびっくり。個人の意思でどこでも行ける移動の自由の象徴として車が輝いていた時代の方だったのだ。今若者の車離れが顕著になり時代背景や移動手段に対する考えもすっかり変わったとは思うが「自由な移動」や「スピード」に熱中する若者がいた国や時代は活気があるということだったのだろう。