先日、某有名コンサルタントファームの方(ご本人も有名)から今の時代を読み解くヒントになる考えを伺った。私が学生のころ勉強させられた(たいしてしていたわけではないが)経営とか企業戦略は綿密な戦略とプラン、そして市場で「強い」ポジションを取るということが目標。現在私が勤務している会社も今だにどちらかというと忠実にこのプロセスを守っているパターン。しかし昨今せっかく築いたポジションも以前と比べてもきわめて短命、どんなに心血注いだ研究開発の成果としての製品もたちまちコモディティー化・低価格化で収益源にはならなくなる。前の日記にも書いたがなんと私のいるIT業界は研究開発費の比率の高さと利益率は逆相関の関係。極めつけのデータは、綿密なプランと戦略の結果の新規事業(製品)のプ当初プランとのかい離の度合は調査によるとなんと下にはマイナス70%、上には350%だそうな。(米国薬品業界の例)
こんな時代は古典的戦略立案による事業遂行ではなく「使い捨て」のもうかりそうな戦略を次々打ってだめならさっと手を引いて次に行くことが利益を上げる方法になる。当然人材も限られた部分の管理者を除いて投入しない。製造業では工場はすでに立派な資産ではなく「ディスポーザル工場」ということばすらあるようだ。どっかおかしい、数年前に金融バブルに感じたものに近い違和感を感じるものの明確な反論ロジックが言えないもどかしさがある。
しかしわがニッポン、いち早く製造業の従業員の非正規雇用を一気に広めたのはこのセオリーをいち早く取り入れていたということだろうか。やっぱり何かがおかしい。