Willowroad2007-07-19

国産ウイスキーの雄、ニッカウヰスキーの創業者竹鶴政孝氏。製品の銘柄にもなっているので耳にした人も多い名前だと思う。この竹鶴氏の開いた国産ウイスキーの聖地・余市(北海道)のディスティラー(蒸留所)は私の好きな場所のひとつで幾度となく行ったことがある。スコットランドから連れて帰ってきた婦人ゆかりのスコーンを供するティーハウスもあったり日本離れした空気を感じさせる心地よい空間。竹鶴氏の業績は伝記などにも書かれており私もそのいくつかを読んだことがあるが、その進取の気性、こだわりは今でも通用する示唆にあふれている。
気がつかなかった。確かに竹鶴氏は広島の造り酒屋に生まれ大阪大学を経てスコットランドに留学となっているがその実家の酒に興味を持ったことはなかった。竹鶴ファンとしては不覚である。どう考えてもその昔広島の田舎(失礼)からスコットランドを一人目指した志はどこから出ていたのか驚嘆する。

先日訪れた店で出された一杯。(写真)
一瞬古酒かと思ったくらい独特の熟成感ある。うまい。私は好きである。
現在のご主人がどれくらい竹鶴のご本家と関係があるか知る由もないし、ウイスキーと日本酒では比較も成立しないが酒を造る情熱というか脈々とうまい酒を造るDNA(必ずしも人間のものを意味していない、企業や使命感含めた広い意味で)をこのラベルと深い味わいから感じた一夜であった。