ちょっと古い映画の話題で恐縮。
最近近所のバーの大型ディスプレイで「マリーアントワネット」を見る。じっくり見たわけではないがこれでもかというくらいに続く忠実に(おそらく)再現されたロココ調の服飾、儀式と宮殿の様子はかなりの労力を投入したことだろう。ほとんどのシーンが人間の立った高さの視点で描かれているのも濃密さを強調している。これぞ映画。
というわけでコッポラさんを思い出しついでにこれまたきちんと見ていなかった「ロストイントランスレーション」をDVDでじっくり鑑賞。
舞台は東京。アメリカ人が遭遇するさまざまな日本人と日本の光景へのとまどい、違和感、その上を展開するびみょーな恋愛感情や家族、夫婦の葛藤。現実にありえそうな設定だが伏線の複雑さや「意図的に描いているの?」というくらいびみょーな細かい表現の自然さがすごい。
一方やや誇張されて描かれているかんちがい広告ディレクターなどの日本人の姿も逆に「こういうやついるいる」という納得感あり。
この舞台はあえてTokyoでなくてもいいという気もするが、コッポラさんにとってやはりこの地でなくては描けないなにかがあるのだろうなあ。