フォーリンアフェアーズの日本語版がなくなると聞きあわてて最近の号をいくつか購入。(ちゃんとオリジナル英語版で読めよとつっこまないでください)
この本(雑誌?)いつの号も、またどこから読んでもなるほどと思わせる内容がある。値段はそれなりにするが損したという気分にはならない。

そんな中、2009 No2に掲載されている「21世紀の国家パワーはいかにネットワークを形成するかで決まる」というプリンストンの先生(アン=マリー・スローター)が書いた記事。非常に多くの内容を含んでいるので簡単にサマリできないが、最も印象的なのは「21世紀の世界の本質としてのネットワーク化」から国家の競争力を読み解いていること。アメリカの優位性と競争力強化についてその多様性から世界でのネットワーク形成に有利と今時珍しく楽観的な論調。

企業や人の「強さ」はそのネットワーク、ネットワーク構築力ありというのはいまや一般的な共通認識といっていいだろう。では「国家の強さ」におけるネットワークの価値ってなんだろうと思うと、併せてハンチントンの「文明の衝突」で論じられたような同質、均質の国を超えた文明のネットワークの考え方から見てみるとわかりやすい。ひとつだけ例を上げるとシンガポールの強さは香港、台湾、中国南部、広くアジア圏やアメリカにも広がった在外中国人の強力なネットワークによる地域経済主義にあるということ。要するに孤立した国には将来は明るくないということ。(人も企業も...)