週末散らかっていたCDを片づけたのをきっかけにモーツアルトのCDコレクションを見直し。朝の定番であるモーツアルトの弦楽曲の在庫は極端に後期に偏りあることにあらためて気がつく。要するにK(ケッヘル)でいえば概ね400番、ハイドンセット以降の曲を演奏者を変えたくさんもっているが、初期のミラノ四重奏曲やKの2桁のディベルトメントなどはほとんど所有していない。わずかに数枚「音の文庫版」といわれるナクソスレーベル(エーデルQ、これなかなかサロン的なリラックスした演奏で楽しめる)やモノラル録音時代のものがあるだけであった。小林秀雄の「無常といふこと」の影響でもないだろうがが後期特有の疾走する悲しみを知らず知らず追いかけていたのかもしれない。「くーっ、たまらん」(元スイングジャーナル編集長中山氏の表現のぱくり)と来るつぼがやはり後期のト短調の曲あたりでアタマに固まっていた模様。

もうひとつ発見、そのミラノ四重奏曲シリーズあたりやケッヘル100番以前のモーツアルトのCDをお店(HMVやアマゾン)で探すのは現在至難の業。これら初期の作品は深みやモーツアルト固有の陰影が弱いという人もいるがなかなどうして天才の天才らしさを知る名曲揃いだと思う。音楽市場も結局はメジャー指向、売れそうなものとしてはどうしても名曲にならざる得ないのだろう。中小レーベルや独自企画に期待してちょっとこのあたり集めてみよう。